文学ついでに。よく見るサイトに村上春樹のことが書いてあって、あぁ懐かしいと、ぐちゃぐちゃの本棚の中を探してみた。よりぐちゃぐちゃになったが、文庫本を何冊か探しだし、奥の方に全集が一冊見つかった。僕の好きな「羊をめぐる冒険」が収録されているものだ。買っていたのをすっかり忘れていた。この物語を最初に読んだのは確か高校の図書室だった気がする。思えばC氏やY氏に影響され、文学とやらにかぶれた頃だった。その頃は僕も(自称)文系だった。懐かしい。夕陽に傾いた 図書室の窓から入るスペクトルは特別な光だった。そんなことが分かっただけでも、彼らに会った価値があったというものだ。その後、彼らが何をしているかは知らない。風の便りにも聞かない。数年後に大学の授業でドイツ語で読む機会があった。けれども、村上氏の作品には英語のほうが合っている気がした。そして、あの光を再現するには、ちょっと重すぎた。
作家といえば、かつてうちのラボに属していた人間からもプロの書き手が誕生していたのだった。今ではかなり売れっ子作家なので、ブログを陰ながら見て、生存と私生活を確認しているだけだが。しかし売れっ子作家と熟れっ子作家は違うのかもしれない。もしかしたらそういうレッテルも外部からだけの観測事象なのかもしれない。ほとんどしゃべる機会がなかったけれど、お元気ですか?

村上春樹全作品 1979?1989〈2〉 羊をめぐる冒険

村上春樹全作品 1979?1989〈2〉 羊をめぐる冒険