島本和彦の真骨頂はその勢いにある。その勢いが勢いをなくしたら島本和彦島本和彦でなくなってただの寒いギャグ漫画になってしまうのであって、だから読むほうも勢いを持って読んだほうがいい。そういう意味で、僕が学部生の頃に、サークルのボックス(うちの大学では部室のことをこう呼ぶ)で、徹夜でこれを読みきったというのはある意味ものすごく幸せなことだったのかもしれない。散りばめられた名言は、必ずこれからの人生の役に立つであろう!!とその時は熱く思ったのだけれど、これまでにそんなことはたった一度もなかった。あるわけがない。しかし、そんなこんなをひっくるめての島本和彦である。
ちなみに「逆境ナイン」は映画化されているようだけど、漫画を読むだけで全く見る必要なしと思われ。再現できるわけがない。

逆境ナイン (1) (サンデーGXコミックス)

逆境ナイン (1) (サンデーGXコミックス)