品揃えはまだまだ悪いけれど、iTunesが登場してからはあまりCDを外に買いに行かなくなった。でもAmazonが登場しても、注文はするけれども、本屋に足を運ぶ。活字というメディアがまだデジタルになりきれていない証拠だろう。最近はPCという端末があれば本当になんでも出来る世界になった。昔は中央のUNIX大型計算機を端末のコンソールで操作していたが、そのイメージに似ている。世界中に広がるネットワークという巨大な潮流を、PCという端末で一滴をぴちょんと搾り取っている感じだ。その一滴は汚れているかもしれないし、誰かが放った毒によって大海が汚染される可能性もあるだろう。怖いところだけれど、それはいつか必ず浄化されるというネットワーカの楽観的思考こそ、ここまでネットワークが広まった理由か。「外」に出て街を歩いていると、かつて名曲喫茶であったその函はにおいが充満する店に改装されていた。汚染と浄化のサイクルは、外の世界では時間がかかる。歴史を刻んできたその建築に染み渡るにおいは、いかにして浄化されるのだろうか。