兎にも角にも珈琲を淹れる。一息つきたいとき、考えがまとまらないとき、本を読むとき。かの江藤淳はコーヒーは能率の味だと言った。それは昼間のワーキングタイムに飲むもので、夜は紅茶の時間だと。コーヒーは進歩的な味で、紅茶やココアは保守的な味だと言う。確かにそれはコーヒーの話で、珈琲は違うと思う。昼間にラボで飲む、せわしないインスタントコーヒーの味から抜け出して、夜、自分で豆を挽き、ペーパードリップでコポコポと炒れる珈琲は味わい深い。まるでゴールドブレンドのCMに出てるかのようだ(ありゃコーヒーか)。というわけで、今日は日曜日。さすがに昼間は休もうと、たまった新聞を読んだり、珈琲をゆっくり入れたり、本を読んだりして過ごす。近くのパン屋でパンを買ってきて、ぐうたら過ごす。これからカメラを持って夕方の散歩に行って、髪を切りに行って、すっきりしたら、ラボに行って仕事をしよう。