先週は分子生物学会で博多へ。福岡ドームにポスターが1,200題以上、これが4日間あるので、相当に大きな学会である。ポスターの発表場所は三塁側。できればマウンド近くでやりたかった。この学会にはとりあえず毎年行っているので、その会場に流れるメイントピックスの雰囲気というのを大まかに感じることができる。今年はたぶんncRNAだ。去年は確かエピジェネティクスだった。どちらもゲノミックな考え方なので、生物学のパラダイムを牽引するのはやはりゲノム的な考え方なのかなとも考えたけれど、ポスターやプレゼンを聞いて、見て、面白いのはやっぱりcell biologyだ。本質である。自分の研究手法が、「観察する」という基本から遠く離れてしまってきているので、これは本当に「生物学」なのかと思う時がよくある。
ところで、予約していた日程を超えて1日延泊したのだけれど、どうしてもホテルがとれず、やむを得ずカプセルホテル初体験となった。かなりドキドキだったけれど、なかなかどうして、かなりシステマティックで良くできたものだ。まず客は、その個体を識別するナンバが入ったキーを渡され、終始体に付けておくように言われる。次にモルモットとなった客は、ロッカーに移動させられ、衣装を脱がされ、ロッカーに入っている一枚のボクサーパンツに着替えさせられる。次に実験動物となった客は、エレベータに乗せられ、5階の大衆浴場で、洗浄される。ついに囚人となった客だが、4階と3階にある大衆餌場やレストルームに行くことを許され、最後には2階に2段ずつ敷き詰められた培養槽でマトリックスのように寝かされる。最後にフロントで、餌を余分に食べたエクストラの料金を識別ナンバごとに支払って、解放されるという仕組みだ。