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文部科学省が科学技術・理科、数学教育を重点的に行う高等学校をスーパーサイエンスハイスクール(SSH)として指定する、名前はダサいが魅力的なプロジェクトが3,4年前から始まっているそうだ。平成14年度のデータを見ると、応募校数77校に対してパスした高校が26校なので、けっこう狭き門と言えるかも。すごいのはその予算額で、平成14年度だと7億円。単純に26で割ると一校あたり2692万円貰える。これは大学や研究期間の普通のラボの予算に匹敵するお金だ。平成15年度に指定された高校の研究タイトルをみてみると・・・
- 北海道帯広柏葉高等学「飛べる鳥、飛べない鳥の筋肉と骨格の違いについて」
- 岩手県立水沢高等学校「バラ、カヤに含まれる天然香料成分について」
- 秋田県立大館鳳鳴高等学校「クマムシの研究」
- 茨城県立竹園高等学校「エンドウマメの『まる−しわ遺伝子』のDNA分析」
- 栃木県立宇都宮高等学校「折り紙の従属性と軌跡」
- 群馬県立高崎女子高等学校「生体へ及ぼす紫外線の影響」
- 慶應義塾高等学校「湘南海岸の砂粒の起源と濃集のしくみ」
- 新潟県立新潟南高等学校「タマネギ細胞の中を探る―葉緑体はあるか?―」
- 福井県立高志高等学校「ニンジンの不定胚発生実験に適した品種と器官について」
- 静岡県立磐田南高等学校「静岡県周辺で発生した微小地震のエネルギー発散量とフィリピン海プレートの関係」
- 三重県立四日市高等学校「波長可変半導体レーザーを使った12C16O2の吸収スペクトル測定」
- 長崎県立諫早高等学校「薄層クロマトグラフィーによる光合成色素の検出」
等々といった、今までの高校のレベルをはるかに超えたようなお題目がたくさん。ゆとり教育みたいな目的のないプロジェクトに参加させされるよりも、こういう具体的なプロジェクトに参加したほうがいいんだろう。でも応募校数がやたらに少ない(77校て・・・全国の高校数の何パーセント?)のと、これ生徒はだれがやるのだろ?立候補?差別されない?みたいな問題が出てくるだろうから、こりゃ理科の先生も大変だよなぁ。