最近はひたすらと顕微鏡を見ている。もともと細胞の形態を観察するのは好きだったので、暇さえあればいくらでも見ていられる。暗室だし、ひとりで籠もれるのがヒッキーゴコロをくすぐる。よく観察した日は、寝ようとして目を閉じると、細胞の形にいろんな色がピカピカ光る。最近使っている色素は青色、緑色、赤色に光る。黄色が光れば信号機だ。532nmで励起して553nmで黄色に光るやつが売っているがなかなかマイナである。ちなみに蛍光色素は0.5mlで30,000〜50,000円くらいである。最初は高いなぁと思ったけれど、これによって論文の図が1つできあがると考えれば、ものすごく安い。
いろいろと撮った写真を夜中にボスに見せていたら、JCBを狙おうとか言い出して、いやいやそれにはデータが圧倒的に足りなさすぎますよ、と情けない反論(?)。まぁしかし狙うのは自由である。別にクレジットカードを作りに行くわけではないのだ。いや、やっぱ無理。
肝心の電顕はどうも芳しくない。ウランと鉛で電子染色する限りは細胞の形態はきちんと見えるのだけれど、シグナルが思ったところに落ちない。でも電子顕微鏡を覗いていると、これまた時間を忘れてしまう。その暗くなった部屋はまるで宇宙船(あるいはガンダム?あるいはエヴァ?)のコクピットのようで、少年の心をくすぐるのである。パッチクランプの実験室を友人に見せてもらった時は、これまた操縦席のようで、ステキだった。かくして実験というのものは、なかなか格好いいものなのだ。