学会2日目。他の業界の学会は知らないけれど、生物系の学会というのは大抵、真ん中の日の午後はスケジュールが空いていて、観光できるようになっている。ということで午後は、観光第二弾へ。まずかよ氏おすすめの太平燕を食べるために、下通りの紅蘭亭へ。お茶とザーサイがデフォルトで出てくる。太平燕と酢豚が食べられる中華セット950円。太平燕はあっさりしていて美味しい。酢豚もまわりがカリカリしていて美味なり。




紅蘭亭の中華セット



大抵、学会の間は体の調子がよいのだけれど、今日は疲れのせいか頭痛。でも美味しいものを食べて治ってしまった。気を取り直して、次なるスポットへ。熊本城の周りで、ものすごく変な場所にある滑り台を発見したが、滑ったらお堀に落ちそうな勢いだ。僕は大人なので、もちろん試してはいない。行き止まりと聞くと、夏に滑った記憶が蘇る。ぶるぶる。




行き止まりの滑り台 滑ったら人生も行き止まり


山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

この文章で始まる、熊本を舞台にした「草枕」の冒頭の思索は、文学史上に残る名文だとおもうのだけれど、その夏目先生が住んでいた旧居があると聞けば行かざるをえない。熊本では7回も住処を変えたというが、一番気に入って長く住んだといわれる5番目の住居へ。閑静な住宅街に、それはあった。入ってみると客は僕ひとり。庭が眺められる縁側で、足を伸ばしてゆっくり。先生が気に入った感じが分かったような気がする。




夏目漱石内坪井旧居



住居内には夏目先生のからくり人形が。紐を引くと、なぜか猫が持ち上がる。持ち上がったど〜!! と、周りを見回してみても、やはり僕ひとり。う〜む、製作者のモチーフがいまいち理解できなかった。残念。




ラクリソウセキ



その後は「わが輩通り」をひたすら歩いて、上熊本駅へ。漱石が最初に降りたという、昔の駅の様子が残っていなかったので、ちと残念。近くにある本妙寺の参道も登って、いろいろ歩き回った。歩き疲れて寄ったスタバで、ラボで頑張っている後輩と電話で研究の打ち合わせ。夜は学会に参加している後輩と合流。辛子蓮根や馬刺しを食べながら、またも研究の話に華が咲く。




漱石三昧