けっこう前の話になってしまいますが、ようやく「ハウルの動く城」を観てきました。う〜ん。これぢゃだめだ〜駿さん。まずストーリーが分からん。なんで戦争が起こっているのか、ハウルはなにゆえ苦しんでいるのか、ソフィーがなんでハウルに恋したのか、ハウルの城ってそもそもなんなのか、ソフィーとハウルの魔法はなんで解けたのか、特に語られることなく物語がずんずんどんどこ進んで行ってしまいます。視聴者に推測しろってか〜。大の大人がいまいちよく分からないのに、これでは子供たちにとっては荒地の魔女の体が気持ち悪かった映画という印象しか残りませぬよ。原作を読め?あほか〜い!
 今までの駿作品のダイジェスト的なところを寄せ集めたのはまあ許すにしても、キャラが立っていないというところが一番痛かった。一番立っていたのが火の悪魔カルシファーってところで、もうだめだ。もっとヒロインを大事にしてくれぃ・・・。ソフィーが何を考えているのが全く分からんために、ソフィーが起こしたアクションを視聴者がまったくフォローできない。シータや雫のあの心の葛藤を作り上げたシナリオはどこに行ったのやら。他の登場人物にとっても同様。マルクルやヒンやカブの存在意義が全く分からん。悩まないんだったら駿の映画に出てくるなってなもんだ(笑)。映画が終わった後のお客さんのぽかーんとした顔が、一番印象に残りましたよ。
 しかしよいところもあるにはあった。まずドラマと全く異なる木村拓哉の声。キムタクらしくなくてよかったと褒めるのもなんか変な感じだが、とりあえずこの声のおかげでハウルには悪印象を持たずにすんだ。あとは動く城のメカニックなところですかね。精巧な1/20フィギュアとかが出れば買う人もいるでしょう。
 ところで、前作からこれだけ方向転換したのは何か理由があってのことなのかも。ジブリの人事異動などには疎いので、絵コンテが変わったとかそういうことは知りませんが、もしかしたら駿さんはジブリの中で孤立しているのではないか。表の世界だけみたら楽しいメルヘンチックな閉鎖空間なのかもしれませんが、あれだけ毒のある人がやってる会社なのですから実態はドロドロしてそうですな、それこそ巨神兵のように。さて、次はどうするんだジブリ!期待を裏切られてももうちょっとは付いていくぜ〜。★★☆☆☆

ハウルの動く城 [DVD]

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