どーにも忙しくよっぽどのことがない限り書かないようにしようと思ってたのだけれど、よっぽどのことが起きてしまった。喫茶店みゅーずが閉店していたのだ、しかも僕の知らない、けっこう前に。
別にあの喫茶店の珈琲やサンドイッチがうまいとか、格別よい音響を備えているとかではなく、京都の老舗喫茶店の中では幾分地味な面構えではあったのだれど、丸善で買った本をみゅーずの2階のボックス席で、頬杖をつきながらよく読んだりしたものだった。顔を上げて、小さな小窓から眺める高瀬川はとてもキレイで、雨降りの日の木々の緑も綺麗だったのだ。これはひとつの喫茶店がなくなったという意味ではなく、僕がこれからもしたであろう、そういう時間枠が、Lifeから消えてしまったということになるので、これは大変なことなのだ。
丸善からみゅーずあるいはフランソワへと至る非常に鋭角なトライアングルが、ふたつの点の消滅によりただひとつの点になってしまったということは、これからどこに重心をかまえればよいのだろうか・・・。ジュンク堂からMARIAGE FRERESのBAL内での垂直移動では、あまりにも不安定である。せめてあの建物を壊さないことを祈るのみだ。